思い切って距離を詰めて

あなたに幸せになってほしい。

「紙の月」 感想

映画「紙の月」の感想です。
私の近所のTSUTAYAは木曜日に準新作DVDが半額になることが多々あります。有難いです。
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原作は角田光代さん。最近、角田光代さんが私の中できてます。

面白かったです。
なんと言って〝音〟がすっごいよかったです。リカが青年(あれ?名前思い出せない?)の側のホームへ登場するところからラブホテルへの音楽が最強によかった。綺麗で、エロくて、これから始まる2人の関係、そんないろいろと音楽がばっちり合っていて大好きなシーンです。
リカが初の大きな横領をするシーンも音が素敵でした。リカの速い心音と宮沢りえさんの落ち着かない目線。こっちまでドキドキしてくる、そんなシーン。音ってすごいと思いました。

美しすぎる横領犯が現実的ではないけれど、その周りの、若くて責任感もない女性社員とかやたら真面目な上司、自分の地位のために不正を行う幹部、自分勝手な夫、など現実にいかにもいそうな人たちばかりで固められていたから、現実味のある作品だったなと思います。

個人的には終わり方も大好きです。
リカが窓ガラス割るところは衝撃でした。自由を手に入れるためには、ここまでしないといけないのかと。
最後は刑務所行って終わりでしょと思っていたので、外国にまで行って逃げ続けている、自由を求め続けているっていう終わり方が意外でした。
募金の青年も生きていて、会えたというのも少し報われたのではないかと思います。同時にリカが父親の財布から大金を盗んで寄付をし続けなくても、あの青年は生きてこれたんだなとも思いました。

横領に関しては、麻薬と同じような中毒性を感じました。1回目が成功すると、もっともっとってどんどん罪悪感など感じなくなっていくのでしょうか。慣れてしまうのでしょうか。
また、慣れということになると大学生の青年もリカに甘えることに慣れてしまってましたが、リカの玄関先ではっきりと「それはいけない」と言う姿はかっこよかったです。


「紙の月」映画化されたときから見たいと思っていたので、見れてよかったです。迷っている方はぜひ見てください。宮沢りえさんが綺麗です。